役立ちコラム

インタビュー撮影の前に準備すること

質問・服装・場所選びと、撮影時間の目安

回答は練習しておいた方がいいのか、どんな服を着ればいいのか。インタビュー撮影の前に知っておいてもらえると助かることを、実際の現場での経験も交えてお話しします。

執筆:斎藤 拓郎(Right And Left)

質問内容・見せたい印象・服装の候補を、先に共有しておく

まず考えておいていただきたいのは、この3つです。特に質問が決まっている場合は、回答を実際に声に出して、自然に話せるところまで練習しておくことをおすすめします。普段は話せる内容でも、カメラを向けられると急に言葉が出なくなることがあります。

撮影前に考えておきたい3つのこと

質問内容何について話すか
見せたい印象どのような雰囲気にしたいか
服装着用する衣装の候補

インタビューというと、質問に答えているところを撮るだけなので、あまり準備はいらなさそうに見えるかもしれません。

ただ、話す内容が同じでも、背景や照明、表情、声の聞こえ方で、受ける印象はかなり変わります。何を話すかだけでなく、どんな映像にしたいかも事前にイメージして整えておくと、撮影を進めやすくなります。

そして、撮る側で準備できることと、出演する方に準備しておいていただきたいことは少し違います。今回はそのあたりを、撮影前に相談する順番で書いてみます。

SECTION 01

同じ話でも、背景と光で印象は変わります

質問内容と一緒に教えていただきたいのが、ご自身や出演者をどう見せたいか、ということです。親しみやすく見せたいのか、落ち着いた雰囲気にしたいのか。この違いで、場所や背景の考え方も変わってきます。

例えば、黒い背景で話している映像と、後ろに植物の緑が見える映像を想像してみてください。話している内容が同じでも、受ける印象は違いますよね。光も柔らかく当てるか、陰影を付けるかで雰囲気が変わります。

インタビュー撮影では、ご希望の印象に合わせて、撮影場所や背景、照明の作り方を考えます。

SECTION 02

回答の練習は、できれば声に出してやっておいてほしい

質問が事前に決まっているなら、答えを考えるだけでなく、実際に声に出して練習しておくことをおすすめします。頭の中ではまとまっていても、いざ話そうとするとつかえてしまうことがありますし、そこに撮影の緊張も加わるからです。

また、インタビュー映像では、質問する人の姿や声を使わず、質問内容を字幕だけで示すこともあります。なので練習するときから、答えだけを聞いても何の話か分かる言い方にしておいてもらえると、編集しやすくなります。

例えば「好きな食べ物は何ですか?」と聞かれたら

「ラーメンです」だけでなく、「私の好きな食べ物はラーメンです」と答える。こうしてもらうと、質問する声がなくても意味が伝わります。

言い間違えたら、少し間を空けて言い直す

もう一つ、言い間違えたときには、そのまますぐに話し直すのではなく、言い直す前後に3秒ほど間を空けていただけると助かります。

間があれば、編集で自然につなぎやすくなります。不自然なカットやトランジションを入れて無理につなぐことを避けられるので、映像のクオリティも保ちやすいんですね。撮影中にも、その都度ご案内しています。

20秒ほどの原稿に、約30分かかったこともあります

以前、カメラに慣れていない生産者の方にインタビューをしたことがありました。そのときは、用意された原稿を読んでもらう必要があったのですが、とても緊張されてしまって。

普通に話せば20秒くらいの内容なのに、OKのテイクが撮れるまでに30分ほどかかりました。ご本人も申し訳なさそうでしたし、こちらも申し訳ない気持ちになりました。撮影する側としても、いろいろと勉強になった経験です。

それ以降、原稿を読んでもらう撮影では、プロンプターを使うことも選択肢に入れるようになりました。

プロンプターとは?

カメラのレンズ前に原稿を表示し、カメラに目線を向けたまま文章を読めるようにする機材です。手元の紙に視線を落とさずに話すための補助として使います。

参考:Elgato「テレプロンプターとは何ですか?」

便利なものではあるのですが、私としては、用意した回答があるなら、やっぱり事前に暗記して、自然に話せるよう準備しておくのが一番よいと思っています。

SECTION 03

服装によって、マイクの付け方も変わります

衣装は、見せたい印象に合わせて候補を考えておいてください。どうしても決められない場合は、Right And Leftで用意することもできます。

撮る側として、服装で少し気になるのはマイクです。インタビューでは胸元などに付けるピンマイクをよく使うのですが、Tシャツ1枚だと取り付けにくかったり、マイクだけが目立ってしまったりすることがあります。そのため、可能であれば襟のある服をお願いしています。

それから、服がマイクにこすれて音が入ることもあります。これを避けるのが難しそうなら、画面に映らないぎりぎりの位置から、ガンマイクを口元に近づけて録る方法も考えます。

なので、Tシャツでは撮れません、という話ではありません。着たい服があるなら先に見せてもらい、その服装でどう録るかを考えたい、ということです。

メイクは、好みや相性もあるので

メイクについては、必要であれば依頼者側で希望に合う方を手配していただいても問題ありません。好みや相性がありますし、ご自身が納得できる仕上がりで撮りたいですよね。衣装とあわせて、どんな雰囲気にしたいかを共有しておいてください。

SECTION 04

会議室でも撮れますが、広さと音は見ておきたい

雰囲気を優先するならスタジオ。その会社で仕事をしている感じを出したいなら、オフィスや会議室。場所選びは、まずどう見せたいかによります。

ただ、普段使っている会議室が、そのまま撮影にも向いているとは限りません。私が気にするのは、広さと照明を置ける位置です。広くて日当たりもよければ、会議室でも雰囲気のある映像に仕上げられることがあります。

背景や照明まで作るなら、それなりの広さがほしい

インタビュー撮影には照明を持ち込みます。カメラと出演者が入れば十分というわけではなく、照明を置き、背景を作る場所も必要になります。

私は、そこまでしっかり作り込むなら、20畳程度以上の広さを目安に考えています。背景を作るというのは、後ろに紙を垂らすことだけではありません。観葉植物や小道具を置いて、映像としていい感じに見える空間を作る、ということです。

ピンマイクでも、周囲の話し声はかなり入ります

見た目がよい部屋でも、外の交通音が大きい場所はできれば避けたいです。インタビューは声を録る撮影なので、静かなのに越したことはありません。

たまに、ピンマイクを付けているから周りで話しても大丈夫だと思われることがあります。でも、これは誤解で、周囲の声もかなり入ります。口の近くで録れることと、周りの音を拾わないことは別なんですね。収録中は、周囲の方にも静かにしていただきたいです。

録音は、一つの機材だけに任せていません

Right And Leftでは、ピンマイクの送信機本体に録音しながら、受信機で受けた音をカメラにも録音しています。

さらに現場に応じて、少し離れたところにレコーダーを置いたり、画角に映らないぎりぎりまでガンマイクを近づけたりして、ピンマイクとは別の音声もバックアップとして残しています。

声をきれいに録ることはもちろんですが、何かあったときに使える音を、ほかにも残しておきたい。そういう考えで、音声にはかなり気を使って撮影しています。

SECTION 05

5分の映像でも、撮影全体は数時間かかります

ここまでの照明やマイクを準備して、映り方と音を確認してから、ようやく収録に入れます。終わったあとは片付けもあるので、会場を使う時間は、話している時間だけでは計算できません。

Right And Leftでは、準備に約2時間、撤収に約30分を目安にしています。5分程度のインタビュー映像を作る場合、本編の収録は余裕を持って30分〜1時間ほどを見ています。

完成映像が5分程度の場合の時間の目安
工程目安
設営・確認約2時間
インタビュー収録30分〜1時間ほど
撤収約30分

この例だと、合計で約3時間〜3時間半です。質問内容や会場、そのほかに撮るものがあるかでも変わるので、実際の所要時間は内容を伺ってご案内しています。

SECTION 06

撮られたい顔の向きがあるなら、先に教えてください

もう一つ、意外と先に聞いておきたいのが、顔の向きの好みです。「右から見た顔の方が好き」「左側から撮ってほしい」と、はっきりした希望を持っている方もいます。

それなら、最初からその向きでカメラや照明を組みたいです。全部セッティングしたあとに言われると、場所や光の関係で、すぐには変えられないこともあるので。

もちろん、その場で変更できるなら対応します。ただ、事前に分かっていれば、希望に合わせて準備できることは増えます。こういうことも遠慮せずに教えていただければと思います。

CONCLUSION

まとめ:自然に話すためにも、準備しておく

練習しなくても自然に話せる方はいます。ただ、撮影していると、やっぱりカメラを向けられて緊張してしまう方が多いです。普段は何でもないことが、本番では難しくなるんですね。

なので、用意した回答があるなら、できるだけ自然に話せるところまで練習しておくことをおすすめします。衣装や撮られたい向きも含めて、事前にイメージを共有しておいてもらえると、こちらもそれに合わせて準備できます。

Right And Leftでは、ご要望を伺いながら場所や背景、照明、音声の収録方法を考え、よいインタビュー映像になるようご提案しています。撮影については、お問い合わせフォームからご相談ください。

よくある質問

インタビューの回答は、事前に練習した方がよいですか?

質問が決まっているなら、声に出して練習しておくことをおすすめします。頭の中で考えるだけでなく、自然に話せるか試してみてください。質問する声を使わない場合もあるので、回答だけで何の話か分かる言い方にしておくと、編集にも使いやすくなります。

Tシャツで撮影することはできますか?

できます。ただ、ピンマイクを付けにくかったり、目立ったり、衣擦れの音が入ったりすることがあります。可能なら襟のある服をお願いしていますが、着たい服がある場合は先に共有してください。その服装に合わせて録音方法を考えます。

会社の会議室で撮影できますか?

撮影できます。会社で働いている雰囲気を見せたい場合にも合います。ただ、照明や背景を作る広さがあるか、周囲の音が大きくないかは見ておきたいので、候補の部屋について事前にご相談ください。

5分のインタビュー動画なら、撮影には何時間かかりますか?

設営に約2時間、本編の収録は余裕を持って30分〜1時間ほど、撤収に約30分。Right And Leftでは、合計約3時間〜3時間半を一つの目安にしています。会場や質問内容、そのほかに必要な撮影によって変わります。

インタビュー撮影は、カメラ2台の方がよいですか?

Right And Leftでは、正面と斜めなどの2台構成をおすすめしています。印象的な発言で寄りの映像に切り替えるなど、話の内容に合わせて見せ方を変えられるためです。

WRITTEN BY斎藤 拓郎 | Right And Left

映像制作者。インタビュー、企業・商品のPR、セミナー、演奏会・発表会などの撮影・編集を行っています。

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