もし自分が何らかの目的で動画撮影(制作)をプロに頼みたいと思った時、みなさんどうしていますか?
まずは
「動画撮影 業者 おすすめ」
「PR動画 制作会社」
「イベント 撮影会社」
などというようなワードで検索しますよね。
しかし、検索に引っかかったいろんな会社のHPなどをみても結局「どこの撮影業者に頼めばいいかよく分からない・・・」となる方がほとんどじゃないでしょうか。
その気持ちすごくよくわかります。動画制作なんて頼んだことない上に、かかるお金も万単位なのでいろいろ不安になりますよね。
実際僕も動画業界に入るまでは全く判断がつきませんでしたし、頼んだ制作業者さんの納品物が全然よくなかった、、、なんて失敗もしてました。
そして僕のところに来るお客様も「選ぶのが大変だった・・・」といった方がほとんどです。
なので今回は、動画を撮ってもらいたいけどどこに頼むのがベストなのか分からないあなたのために、撮影業者の後悔しない選び方を話していきたいと思います。
まずどんな動画を作りたいか(撮ってほしいか)明確にする
まず、あなたにしてほしいことは自分がどんな動画を作りたいか(撮ってほしいか)を自分の中で整理し、なるべく明確にすることです。
どういう動画を欲しているか、必要なのか自分でよく分かっていない人って結構多いんです。
でもそれって結果的にすごく無駄な時間を使ってしまうことになります。会社選びも時間がかかるし、頼んだ後も事前の打ち合わせの回数や時間も増えたりします。
そして制作側に希望をちゃんと伝えられないままだったりすると、出来上がりがなんかイメージと違ってトラブルのもとになったりと、良いことなんて一つもありません。
もし、あなたが広告動画やMVなどのオリジナル映像を作りたいのであれば、せめて「こんな感じの雰囲気にしてもらいたいです」と参考の映像を受注側に提示できるくらいには理想像を把握しておくのがいいと思います。
YouTubeやVimeo、その他SNSなどで「こんな動画が良い!」というものを探してみましょう。
動画撮影会社(フリーランス含む)を選ぶ時に気を付けるべきポイント
それでは実際に動画撮影・製作を頼む時に気を付けたいポイントをお話していきましょう。
1.料金が妥当か
まず気にするのはもちろん料金ですね。その料金は本当に妥当なのかということ。
動画制作に関する料金は、慣れていない方にとっては本当に謎だと思います。
その弱みに付け込んで高値で見積もりを出してるところがあってもおかしくないですよね。
会社によっていろいろな事情ややり方があるので価格に関しては一概には言えないんですが、でもやっぱり作業に対しての価格相場みたいなのはあります。
例えば、
【複数の吹奏楽部の合同演奏会案件】
・撮影日の拘束時間は5時間
・収録時間は3時間
・カメラ台数は3台。デジタル一眼レフカメラ(2台は固定。1台は有人操作あり)
・カメラマンは1人(いわゆるワンオペ)
・撮ったものを編集、一本にまとめて依頼者様にデータ納品(DVDなどはなし)
↓上記の条件での大まかな見積もり概算↓
【人件費】5~7万
【機材費】5~7万
【編集費】5~10万
というような案件があったとすると、おそらく撮影会社に頼む場合は15~25万円ほどが相場で、個人のフリーランスに頼む場合は、7~15万円前後だと思います(2023年時点)。
(会社と個人のフリーランスで金額が違うのは一言でいうと経費の大小です。会社は社員の人件費や広告費、事務所や倉庫の家賃など、フリーランスに比べて経費がかかるので必然と価格は上がります。)
この値段を高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれだと思いますが、今のところこれくらいが相場というか適正価格かと思います。
そして一概には言えないですが、価格が高いところは安定して良いものを作ってくれる可能性が高いです。
安いところがダメかというともちろんそうではありません。当たりの業者、良心的な業者もたくさんいます。
ただ、明らかに安すぎるところは気を付けたほうがいいと思います(安すぎるのは事故率高いです。やはり常に一定以上のクオリティのものを作るためにはそれなりのコストがどうしてもかかってしまうのですよね、、、)。
ちなみに僕の場合は、この内容なら約11万円弱(税抜き)くらいで見積もり出します。
ざっくり内訳を言うと
【ウチの場合の見積もり】
・拘束時間5時間で収録3時間 3万円
・カメラ3台の機材費(FHD,10bit収録) 3万5千円
・カメラ3台分、3時間分の映像を同期させての編集費 3万
・その他データ管理コストや交通費 1万
という感じでしょうか。スタッフの人数やカメラの台数を増やすといろいろなコストが上がるのでもっとぐいっとあがってしまうのですが。
僕はデータ量の多い綺麗な画質で撮りますし、編集するときに素材の色味やフォントなどもかなり調整しますし、かなり良心的な値段だと思います(手前味噌ではなく)。
違う依頼条件の場合でも、大体ではありますが、会社に頼む場合はウチの見積もりの1.5~3倍が映像会社の平均価格なんじゃないかと思います。
個人のフリーランスの場合はウチの見積もりのプラスマイナス5~8万円という感じでしょうか。
だからもしあなたが今候補にしている映像会社の見積もりが高いのか安いのか知りたければ、このサイトの自動見積もりフォームで同じような条件を選んで比較してみるのが一番手っ取り早いんじゃないかと思います。
PR動画、インタビュー動画、MV、広告用動画の制作などに関してはケースバイケースすぎて自動見積もりができないので、直接問い合わせていただければお答えします。
2.標準の収録画質がFHD画質以上か
画質はなるべく綺麗な方がいいという人は、その映像会社がFHD以上のデータ収録に対応しているかどうかをしっかり気にしたほうがいいと思います。
というのはSD画質やHD画質でしか納品しませんよというところが結構あるんですよね。
SD画質(スタンダード画質)っていうのはYouTubeでいうところの「480p」っていう画質で、けっこうボヤっとする画質です。PCはもちろんのこと、スマホで見てもボヤっとしてます。
吹奏楽とかオーケストラの演奏会動画を見たりすると、「なんか画質悪いなぁ・・・」って思ったことありませんか? 最近の記録のはずなのに昔のテレピみたいな画質に見えるやつ。あれです。
イベント撮影専門のところだと、FHD画質以上に対応していないところがあるんです。
なぜかというと、FHD以上にするとデータが急に大きくなって管理が大変だし、そもそも今時の性能の良いカメラを使ってなかったりするから。
そういう会社は、とりあえず映像の雰囲気とかセンスは二の次で、記録として撮ってもらえればいいっていう人向けです。
でもそんなの今時のスマホで撮ったほうがよっぽど綺麗でかっこよく撮れます。10万~20万払うのはもったいないです。
インターネット上で映像や写真に触れる機会が増えた昨今、いまさらSD画質で撮影されても「いや、これだったら知り合いにスマホで撮ってもらったら十分じゃん」ってなる可能性が非常に高いと思います。
欲を言えば4k、10bit収録が理想です。
今は大型のモニターも各家庭に普及してきていますしね。
(余談ですが、YouTubeは4kでアップロードするとデータの圧縮方法が変わって、FHDであげるより綺麗になります。)
ただ、FHDや4kで綺麗に撮ってくれる会社に頼んでも、DVDにしたいんだという場合はどうしてもぼやっとした映像になります。
DVDは書き込めるデータ量が非常に少ないので、データの軽い画質(必然的に画質は悪くなる)にせざるを得ないのです。
なので個人的にはDVD納品はあまりお勧めできないです。
円盤にするならBlu-rayがお勧めです。
しかしBlu-rayも書き込めるデータ量に制限があってやはり画質は低下するので、一番いい状態で映像をお届けできるのはデータ納品です。
3.使っているカメラがカムコーダーか、デジタル一眼か
映像はカムコーダー(いわゆる業務用ビデオカメラ。画像左)か、デジタル一眼レフカメラ(略称はDSLR。画像右)かで雰囲気がだいぶ変わってきます。
二つの映像の特徴を極端に言ってしまうと、カムコーダーの方はテレビ的な映像の雰囲気、DSLRのほうは映画的な雰囲気の映像になります。動画で例を挙げると
【カムコーダーの映像】
【デジタル一眼レフカメラの映像】
わりと雰囲気違いますよね。
どちらのカメラにもメリットデメリットがありますが、記録としての映像を求めるならカムコーダー、おしゃれで綺麗な映像を求めるならDSLRというように使い分けられていたりします。
僕はDSLRの映像の方が好きなので、たとえ記録用の映像でもDSLR(デジタル一眼レフカメラ)を使いますが、長時間のイベントなどをDSLRで撮影をするのはいろいろと手間がかかるので、だいたいのイベント撮影業者はカムコーダーを使っている傾向があります。
その制作会社のサンプルなどを見るとだいたいどっちのカメラを主に使っているか分かるので、自分が欲しい映像の雰囲気に合わせて選ぶといいと思います。
4.編集の修正にはどれくらい対応してくれるか
映像編集の修正に何回まで対応してくれるのか、というのもその会社の制作姿勢を図る指標の一つだと思います。
簡単な修正だったらだいたい2~4回くらいまで無料で対応というのが一般的かなと思います。
簡単な修正というのは例えば
- 色味の微調整
- 数箇所のシーンの入れ替え
- 音量の調整
- テキストの修正
といったようなそこまで作業に時間がかからないもののことです。
編集はこだわりだすと切り出すときりがなく、クライアントによっては無理難題を言ってくる方もいたりするので、修正回数に上限を設けてトラブルを予防するのはある程度はしょうがないと思います。
ただ、どんな修正でも初回から有料です、というようなところは避けたほうがいいです。
僕の場合は依頼者の方が喜んでくれるものを作りたいので、基本的には回数制限を設けていません。
ですが、時間のかかる修正を望まれたら別途作業費がかかる場合もある、と一応ことわりを入れたりはします。
5.映像のサンプル(制作例・実績)をきちんとチェックする
当たり前のことではありますが、映像のサンプル(制作例・実績)をきちんと見ましょう。
その会社のHPに載っているサンプルはその会社が「うちはこういう映像を撮る会社です」と謳う看板みたいなものですので、当然良いものを載せます。
なのでサンプルがいまいちだと感じたらやめたほうがいいと思います。。
逆に雰囲気良いなとか、センスいいな、などと感じたら、もし自分が望むジャンルの動画サンプル(実績)がなくてもわりといい感じに仕上げてくれたりします。
サンプルを見てピンと来たところにお願いしましょう(たまに何も見ないでウチにお願いしてくださる方もいらっしゃるんですが、そういう時はまずサンプルを見ていただいています)。
ちなみに僕がどこかの映像会社の実績やポートグラフィーを見るときはYouTubeにちゃんと4kでアップロードしているかとか、Vimeoにあげていたりするかという点をチェックしたりします。
前の項目でも少し書いたように、YouTubeに4kであげると画質が綺麗になるのですが、そこを守っている業者は信頼度が上がりますし、良い状態で映像をアップできる有料版Vimeoにわざわざ載せていたりすると好感度が上がります。
もちろん、制作の諸事情で4kでは撮影出来なかったり、著作権的にVimeoの自アカウントで上げられないことも多いので絶対そうしていないとだめだという気はないのですが、映像を制作するものとしてのモラル的なものがそういうところに出たりするので。
信頼して仕事を頼めるのかどうかって細かいところでわりと分かったりしますよね。
まとめ
いやー、
映像制作会社ってたくさんありすぎて、どこが良い会社なのかほんとうに判断しづらいですね。
同業の僕でさえ「なんかサイトを見ても、、、、ここが求める撮影会社なのか結局よくわからないな、、、、」となりがちなので、一般の方は余計に困ってしまうんじゃないでしょうか。
そして結局悩むのに疲れはて、妥当そうなところにもう頼んでしまおう、となる場合が大半かと思います。
あの分かりづらさは不安を感じてしまうし、どうにかならないものかと僕も思うんですけどね。
ただ、別に他の映像会社や自分たちを擁護するわけじゃないんですが、動画の費用感とか納品までの工程のこととかを一般の方にわかりやすいように説明するのってかなり難しいです。
動画は写真に比べていろいろと手間のかかる工程が多いですし、しかもケースバイケースで業務内容もだいぶ変わってくるので、それらを一つ一つ網羅して説明すると収拾がつかなくなるんですよね。
別にお互い時間があるなら説明してもいいんですが、そんな説明を延々としてたら「もういいです」ってお客様はうんざりしてどこかに行ってしまうわけです。
だからどこの映像会社もホームページなどで完璧な説明をするのはあきらめて、とりあえず見積もり依頼をお願いしますって言ってるんじゃないかと思います。
なので映像会社選びで迷ったら、一番良いのは費用感を知ってそうな知り合いのカメラマンとかに聞いてみることだと思うんですけど、知り合いにカメラマンなんていませんがな、という人がほとんどだと思いますので、僭越ながら代わりに僕が選び方みたいなものを伝えようと思ったわけなのです。
少しでもお力になれたら幸いです。